4ビットCPU | ||||||
Intel4004(1971) | 4ビットCPU採用キット | |||||
↓ | INTEL MCS-4(4004,1971秋発表) | |||||
8ビットCPU | SHARP MZ-40K(富士通製CPU,1978) | |||||
Intel8008(1972) | ↓ | |||||
Intel8080(1974) | 8ビットCPU採用パソコン | |||||
MC6800(1974) | インテル系CPUパソコン | モトローラ系CPUパソコン | ||||
Zilog Z-80(1975) | MITS
Altair8800(1975春) |
MITS Altair680(1975.12) | ||||
6502(1975) | IMSAI 8080(1975.12)などの互換パソコン | |||||
↓ | NEC TK-80(1976.8) | |||||
16ビットCPU | Tandy TRS-80(1977) |
Apple AppleII(1977) Commodore PET2001(1977) |
||||
Intel8086(1978.7) | Sharp MZ-80K(1978.12) | |||||
Intel8088(1979.3) | NEC PC8001(1979.9) | 16ビットCPU採用パソコン | ||||
MC68000 (1979) | インテル系CPUパソコン | モトローラ系CPUパソコン | ||||
NEC PC8801(1981.9) Xerox(1981) | 富士通 FM-8(1981.5) | ←→ | IBM PC(1981.10) | |||
NEC PC9801(1982.10) |
問1 「IBMは自社でCPUやOSといったPCの主要部品(基幹部品)を開発する技術的能力は持っていたにも関わらず、1981年のIBM PCでは他社からそれらを調達したのはなぜなのか?」(自社でCPUやOSを開発していれば、IBMはIBM互換機が主流の現在のPC業界におけるインテルとマイクロソフトを合わせた巨大な収益を独占できていたのではないか?)
↓
問1に対する想定される答1「1981年のIBM PCの開発は1980年に1年間という短期間に開発し販売開始することを命じられていたので、自社で新規にCPUやOSを開発する時間的余裕はまったくなかった。」(1年間でそんなことはするのはとうてい不可能である。)
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上記の答えに対して生じると思われる疑問「ではなぜIBMは、1年間でPCを新規に開発し販売開始するなどという無茶なことをせざるを得なかったのか?」
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上記の疑問に対する解答「それはIBMがPC市場への参入が極めて遅れたからである。これ以上、さらに遅れると取り返しのつかない結果に陥る可能性もあった。」
1970年代後半から1980年代初頭にかけてのPC市場の急成長を見よ!
http://sano.s20.xrea.com/history_of_IBM-PC.htm#19751980
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上記の解答に対する新たな疑問「ではなぜIBMは、PC市場への参入が遅れたのか?」
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上記の疑問に対する想定される答1 「巨大企業IBMにとってPC市場はかなり規模の小さな市場にしか過ぎなかった。そのためPC市場への参入は短期的な成長率確保という経営的視点からはさほど意味のあることではなかった。」(IBMの売り上げ規模とPC市場の規模を比較せよ
! cf.http://sano.s20.xrea.com/history_of_IBM-PC.htm#PCMarketScale)
↓
しかし、この答えは事柄の一面しか過ぎないのではないのか?というのも企業の長期的視点からの成長(あるいは持続的発展)を確保しようとすれば、PC開発は絶対的に必要なことではなかったのか?
↓
実際、IBMの経営最高幹部はPC技術やPC市場の「将来性」に確信を持っており、IBMもPC開発に早く乗り出すべきだ、と考えていた。
http://sano.s20.xrea.com/history_of_IBM-PC.htm#IBMPCRecognition
(もちろん経営幹部全員がそうであったわけではない。また担当事業が何であるかによって、利益相反の問題があった。)
↓
そのためIBMもパーソナル・コンピュータの開発を目的としたプロジェクト自体は1975年という比較的早くからあった。
http://sano.s20.xrea.com/history_of_IBM-PC.htm#preIBMPCDevelopment
MITS社のAltair8800とほぼ同時期の1975年9月には、IBM 5100 Portable Computerが発表されている。しかもそのIBM
5100シリーズはその後、IBM5110(1978)、IBM5120(1980)、IBM system/23 Datamaster(1980)というように開発が進められた。
↓
しかしIBM5100シリーズはパソコンとしては「成功」したとは言えない。IBMの主流に属する組織によって従来通りのやり方で開発をおこなったマシンは、オフィスコンピュータ(オフコン)としてはともかく、パーソナルコンピュータ(パソコン)としては成功したとは言えない。
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この現象を説明する
IBMにおける、IBM PC以前の「パソコン」開発の「失敗」に関わる諸要因
(1)組織的行動の方向性を規定する規範的価値という要因
--- 「大型計算機開発」的価値体系(Value Network) vs
「PC開発」的価値体系(Value Network) ---
安定性重視(価格よりも安全性が重要) 価格重視(よりも価格が重要)
多少高くても構わない 多少は性能を犠牲にしても低価格製品
利益率が高い市場 利益率が低い市場
<参考Webページ> 佐野正博(2003)「イノベーションに関するクリステンセンの見解」
(2)技術的構成要素に関わる設計・開発担当組織の構成という要因
ハードウェア | ソフトウェア | ||||||||
CPU開発 ・製造 |
ハードの 組み立て 販売 |
OS | 開発言語 | 応用ソフト | |||||
オーダー・ メイド・ソフト |
ユーザー 開発ソフト |
市販応用 ソフト |
フリー ソフト |
||||||
大型コンピュータ ミニコン |
コンピュータ・メーカー | ○ 情報システム 会社への特注 |
○ 組織ユーザー による自前開発 |
× | × | ||||
マイコン・キット | CPU メーカー |
CPUメーカー + コンピュータ ・メーカー |
× (提供なし) |
機械語 アセンブラ言語 |
× | ○ (個人ユーザー による自主開発) |
× | ○ (ソフトマニアによる開発 雑誌やUGを通じた配布) |
|
パソコン | CPU メーカー (インテル系 vs モトローラ系) |
コンピュータ ・メーカー |
サード・パーティ+ コンピュータ・メーカー |
BASIC言語 C言語 |
× (ないわけではないが、 一般的ではない) |
△ (限定的) |
◎ 一般的 |
○ (ソフトマニアによる開発 雑誌やネットを通じた配布) |
方法論的基礎 | |
テイラーの科学的管理法 |
作業分析
|
技術戦略論、技術マネジメント |
技術分析
|
ハードウェア | ソフトウェア | ||||||
製品名 | 内蔵CPU | 主要OS | 主要応用ソフト | 主要開発言語 | |||
MITS社Altair8800 (1975) |
Intel社8080 | 8 ビ ッ ト C P U |
8 ビ ッ ト O S |
Microsoft社製BASIC+Freesoft (最初はOSと開発言語との間に明確な区別がなかった。マイクロソフト社のBASICは現在的な意味ではOSが担っている機能[画面表示、フロッピィディスクの読み出し・書き出し、プリンタ制御といったコントロール機能など]も持っていた。また市販の応用ソフトはまだ販売されておらず、マニアがBASICを開発言語として作ったプログラムが利用者の間で使われていた。) |
|||
Tandy社 TRS-80 |
Zilog社 Z80 |
CP-M | 表計算ソフト VisiCalc ワープロソフト WordStar データベースソフト dBaseII |
Microsoft社製BASIC | |||
Commodore社 PET (1977) |
MOS Technology社 MOS6502 |
||||||
Apple社 AppleII |
Appleの独自OS | 表計算ソフト VisiCalc (最初はAppleII上でしか動作しなかった。VisiCalcを使いたいがために、AppleIIを買う人が出たほどの人気を博したソフトである。・・・キラー・アプリケーション・ソフト) |
|
||||
MOS Technology社 MOS6502 |
Z80 CARDなどの CPUカード |
CP-M (AppleIIはその拡張スロットにIntel社8080あるいはその互換CPUが乗った拡張カードを挿入すれば、OSとしてCP-Mを利用することもできた。) |
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IBM社 IBM-PC (1981) |
Intel社8088 | 16 ビ ッ ト C P U |
16 ビ ッ ト O S |
Microsoft社製BASIC+Freesoft | |||
Microsoft社 MS-DOS(IBM社 PC-DOS) | |||||||
vs | |||||||
Digital Research社CP-M/86 |
ハードウェアの製品名 | CPU構成 | システム的 適合性 |
利用可能なソフトウェア | |
パソコン | MITS社 Altair8800 |
インテル社のCPU(8080) | ◎ | マイクロソフト社のBASICを 開発言語として作成された 各種のアプリケーションソフト |
Scelbi Computer
Consulting Co. SCELBI-8H |
インテル社のCPU(8008) | × | ? | |
VTR | ビクター社 VHS |
<録画時間>重視の技術開発 戦略に沿ったハードウェア構成 |
◎ | テレビ放送 (映画、野球放送、フットボール放送などの 長時間放送) |
ソニー社 ベータマックス |
<画質>重視の技術開発 戦略に沿ったハードウェア構成 |
× |
|
|
用途別市場 | ハード | OS | 名称 |
サーバ | WS | UNIX | UNIXサーバ |
PC | LINUX | PCサーバ | |
Windows |