2003年度「経営科学」授業のための参考Web


5.パソコンという商品の技術的分析


5.コンピュータ市場に関する基礎知識

ハードウェア的分類
A スーパーコンピュータ
B 大型計算機
C WS(Work Station)
D PC(Personal Computer)
 
対応ハードウェア 用途別分類
A 気象予測,ナノテクノロジーやバイオテクノロジーにおける解析作業
B(最近はCの場合もある) 銀行の基幹業務
C(およびB) 一般企業の基幹業務(在庫管理など)
大規模データベース処理
(データベース・マーケティングなど)
CおよびD サーバ
(WWWサーバ、FTPサーバ、メールサーバ、ファイルサーバ、プリントサーバなど)
D 文書作成処理

スーパーコンピュータに関する最近の記事
「地球シミュレーター 温暖化の予測からナノテク開発まで」『朝日新聞』2003年10月25日夕刊
「地球シミュレーター」とは、日本のNECが1997年より開発を開始し、2002年3月より稼働させているスパコンの名称。「10年前のスパコン並みの計算能力(毎秒80億回)をもつ演算装置を8個組み込んだ「計算ノード」640台を結合し、並列処理をこなす。各ノードを結ぶケーブルは全長2400キロメートルに達する。」ものであり、その演算能力は毎秒40兆回の計算能力に達するものであり、2003年11月現在のところ世界最高速のスパコンである。

銀行の業務システム構築におけるワークステーション利用に関する最近の記事
営業店システムと勘定系システムの両方をWindowsとIAサーバで開発した新生銀行
システムの二重化など冗長性や可用性を強化して組んだが、 メインフレームを採用した場合と比べて,10分の1のコスト,3分の1の開発期間で完成させた、と言われている。すなわち、新生銀行システム企画部の大川信之シニアマネージャーによれば、「約10ヶ月という短期間でシステム構築をおこなうことができました。基幹システム構築に投資したコストも約60億円と、従来の金融機関のシステム構築コストの10分の1程度、運用コストは約半分に低減できました。」(文献1,p.14)ということである。
 また新生銀行システム企画部の大川氏は、メインフレームとの比較に関して「問題が起こるのは、メインフレームだろうがUNIXやWindowsだろうが同じ」であるとし、重要なことは「シングルポイント・オブ・フェイリアを起こさないシステム設計、また稼働までのシステム検証やテストをしっかりとできているかどうかが決め手だと考えています」(文献1,p.15)と答えている。
1.[Windows と IP でシステムを刷新 既存銀行の業務スタイルを打ち破る新生銀行」『Computer TELEPHONY』2002.5,pp.14-17
http://www.microsoft.com/japan/business/ct/download/v2-5.pdf

2.「銀行基幹業務に異例のWindows採用 パッケージをフル活用し低コストで開発」(『日経Windowsプロ』2002年1月号,100ページ)http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NT/JIREI/20020122/1/
3.「株式会社新生銀行 急拡大するリテール業務の災害復旧システムにDell|EMC製品を採用」
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/solutions/casestudy/studies?c=jp&l=jp&s=soho&~section=shinsei

「実際はもう少し早くできたのですが、やはり社内的な新しいテクノロジに対する調整などがありました。それからすでにあるものに関しては、それを有効利用していますので、現在でもメインフレームや UNIXサーバが稼働しています。ですから、勘定系すべてが IA べースというわけではありません。しかし新しいシステムに関してはすべて IA サーバで構築しました。 」http://www.intel.co.jp/jp/business/japan/casestudies/shinsei4.htm

銀行の業務システム構築におけるパソコン利用に関する最近の記事
  1. 勘定系を含めた基幹業務にまでWIndowsパソコンの採用を決めた百五銀行

  2. ユニシスが中心となって組織している次期金融システムの検討・検証コンソーシアム「S-BITS」の参加銀行は、百五銀行の他に秋田銀行、北越銀行、山梨中央銀行、紀陽銀行、大分銀行、鹿児島銀行がある。 ユニシスは百五銀行のプロジェクトを手始めとして、Windowsパソコンによる基幹業務系情報システムの構築を狙っている。
    1. @ITNews(2003年12月3日)「Windowsで基幹システムを開発、百五銀行が決断した理由は」
    2. 日本ユニシス(2003.12.02)「日本ユニシス、百五銀行 --- 次期基幹系システム共同開発」

    3. 日本ユニシス(2003.12.02)「日本ユニシス、マイクロソフト --- 金融機関向けミッションクリティカル・システム構築」

    4. マイクロソフト(2003.12.02)「日本ユニシスとマイクロソフトがWindows Serverによる金融機関向けの高度なミッションクリティカル・システムの構築に関する共同プロジェクトを開始」

    5. 百五銀行(2003.12.02)「株式会社百五銀行、日本ユニシス株式会社、次期基幹系システムをオープンシステムで共同開発 --- 日本で最も進んだ顧客サービスの実践を目指して」
  3. 勘定系はメインフレームのままだが、その他をLinuxパソコンを採用するUFJ銀行
    1. @ITNews(2003年9月25日)「UFJ銀の基幹システムを“陥落”させたLinuxの切り札」



6.コンピュータ分野における技術革新の方向性

7.2003年6月12日実施の小テストの問題および解答例


8.参考資料(授業中に配布した資料の内容一覧/後期分)