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分析装置の解説

 
蛍光X線分析装置
 
明治大学文化財研究施設では、波長分散型の全自動蛍光X線分析装置(RIX1000)と大型蛍光X線分析装置(RIX3511)、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置(JSX3201)の3台を所有しています。このサイトでは蛍光X線装置とはどのような装置なのか、その概略について説明します。
 
 
蛍光X線分析法(X-Ray Fluorescence spectroscopy ;XRF) はX線分析における分析法の一つで、その分析精度、感度が優れていること、また比較的に操作が簡便であることから、鉄鋼・窯業の品質、工程管理、考古試料、美術品の分析などに欠かせない役割を担っています。XRFの分析装置には、その光学系や検出方法の違いにより、波長分散型(Wavelength Dispersive XRF;WDX) とエネルギー分散型(Enagy Dispersive XRF;EDX) の二種類があります。波長分散型蛍光X線分析装置とエネルギー分散型の蛍光X線分析装置はどのような特徴を持っているのか、またその特徴からどのような分野で使われているのでしょうか。
 
1.蛍光X線分析法とは

蛍光X線分析法とは、試料中の元素の種類とその量に関する情報を得る分析法です。試料に一定以上のエネルギー粒子線(電子・イオン)または光子(X線・γ線)を照射すると、試料中の元素からX線を発生します。発生したX線は、個々の元素毎に固有のエネルギー(波長)を持っているので、固有X線(蛍光X線)と呼ばれています。これら蛍光X線を検出・解析することによって試料にどのような元素が含まれているのか、またどのぐらいの量で入っているかを知ることができます。
 
 
2.蛍光X線分析法の利点

蛍光X線分析法の利点を以下に記載します。
(1) 非破壊分析である。
(2) 分析・測定が迅速である。
(3) 試料の調整が比較的容易である。
(4) 蛍光X線スペクトルは原理的に化学状態に影響されない。
(5) 分析精度が高く、測定できる元素範囲もベリリウム(Be) 〜ウラン(U) までと広い。

蛍光X線分析の特徴としてまず挙げられるのが、非破壊で分析できるという点です。蛍光X線分析の場合、測定中に化学的な結合状態が変化したり、揮散することなく同一試料を繰り返し測定が可能です(ガラスや高分子などの試料では着色や機械的性質が変化する場合がある)。
蛍光X線分析の測定時間は、他の分析法に比べ比較的短時間であり、測定精度、感度ともに優れていて、測定方法も容易です。また固体試料のみならず粉体試料や液体試料でも測定可能なため、大気粉塵、排水などの環境試料の分析にも盛んに用いられてきています。最近では装置のスリム化で可搬性の蛍光X線分析装置も開発され、美術品や考古試料の分析においても、その応用が進んでいます。
 
3.波長分散型蛍光X線分析装置とエネルギー分散型の蛍光X線分析装置の違い

蛍光X線分析装置には、光学系や検出方法の違いによって、波長分散型とエネルギー分散型に大別されます。両者の装置とも原理的なことは変わらないが、どのような試料を測定するのか、どの程度の分析精度が要求されるのかなどによって、用途が異なってきます。ここでは光学系の検出方法については割愛し、両者の装置の特徴や用途について触れることにします。

3-1.波長分散型蛍光X線装置
(Wavelength Dispersive XRF ; WDX)

波長分散型の装置で優れている点は、その分析精度にあります。ppmオーダーの微量分析やより正精度が高い分析を行うときなどは、波長分散型で測定を行う方が有利である。特にF〜Sなどの軽元素の微量分析において、エネルギー分散型では難しい場合があります。波長分散型蛍光X線装置の用途としては鉄鋼・窯業などにおける不純物の検出、環境試料中の極微量元素の分析があります。

3-2.エネルギー分散型蛍光X線分析装置
(Energy Dispersive XRF ; EDX)

エネルギー分散型の装置は波長分散型の装置と比べ、出力が小さく、試料に与えるダメージが比較的少なくて済みます。また出力が少ないことから市販の電源で使用することが可能であり、装置も軽量化・小型化してきていて、最近では可搬型の装置も開発されてきています。また考古学的に貴重な試料を取り扱う場合、試料への損傷はなるべく少なくすることが好ましく、エネルギー分散型の装置が有利です。
 
 
なお、走査型電子顕微鏡(JSM5410LV)に装着されているEDXでも、微細な試料について元素分析を行なうことが出来ます。
 
熱分解−ガスクロマトグラフィー質量分析計(準備中)
 
古地磁気測定装置(準備中)
 
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