文学部

独 文 学 専 攻

Friedrich Wilhelm Riemer: Goethe. Bleistiftzeichnung, um 1810

映画上映会のお知らせ

『ベルリン・アレクサンダー広場』

1920年代末ドイツのベルリン。二つの世界戦争に挟まれた不穏な時代。第一次大戦敗戦の痛手で社会は不安定を極め、失業者は日々増加し、犯罪が横行していた。またナチスと共産主義者の対立も激しさを増していた。その反面ベルリンはヨーロッパ有数の大都市(メトロポール)であり爛熟した文化が花開いた。そんな激動の時代を一人の“普通”の男フランツ・ビーバーコップが辿る受難に満ちた物語である。

監督■ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
原作■アルフレート・デーブリン
全14話一挙公開 1980/ビデオ版上映/カラー/全14話構成のテレビ映画/上映時間14時間56分/日本語字幕付/字幕翻訳者による解説付


会場: 明治大学和泉校舎 視聴覚棟 AV‐9教室(AVホール)
時間: 8月4日(月) 10:00〜16:00 (第1話‐第5話)
8月5日(火) 10:00〜16:00 (第6話‐第10話)
8月6日(水) 10:00〜16:00 (第11話‐エピローグ)

入場無料・申込不要(直接会場へお越し下さい)

部分鑑賞も歓迎いたします

第1話 (プロローグ)処罰が始まる (82分)
第2話 死にたくなければどう生きるべきか (59分)
第3話 脳天の一撃は心も傷つける (59分)
第4話 静寂の奥底にいる一握りの人間たち (59分)
第5話 神の力を持った刈り手 (59分)
第6話 愛、それはいつも高くつく (58分)
第7話 覚えておけ―誓いは切断可能 (58分)
第8話 太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす (58分)
第9話 多数者と少数者の間の永遠の隔たり (58分)
第10話 孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる (59分)
第11話 知は力 早起きは三文の得 (59分)
第12話 蛇の心の中にいる蛇 (59分)
第13話 外面と内面、そして秘密に対する不安の秘密 (58分)
第14話 (エピローグ)子供の死 そして有益な男の誕生 (111分) (『ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップの夢についての私の夢』)


監督■ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー (1945-1982)
1945年5月31日、バート・ヴェーリスホーフェン生まれ。1967年に劇団「アクション・テアター」に参加。同劇団解散後の1968年、仲間とともに劇団「アンチテアター」を設立。劇団メンバーとの挑発的かつ実験的な長編映画制作を始める。1978年に発表した『マリア・ブラウンの結婚』により、ニュー・ジャーマン・シネマを代表する監督として世界的に認知される。1979年、念願の企画『ベルリン・アレクサンダー広場』映画化を実現。『リリー・マルレーン』(1980)、『ケレル』(1982)では国際的スターを起用した大作映画を撮り上げる。ドイツ映画の未来を託される稀有な存在となった矢先の1982年6月10日、37歳で急死。彼の映画は、女性の抑圧、同性愛、ユダヤ人差別、テロリズムなどスキャンダラスなテーマが多く、常に激しい議論を巻き起こした。遺された42本の監督作品は、20年後の今日にも多くの問題を提起し続けている。

原作■アルフレート・デーブリン (1878-1957)
1878年8月10日、シュテッティーンのユダヤ人一家に生まれる。大学で医学を修め、精神科医となるが、一方で作家として執筆活動も行う。第一次大戦後のワイマール時代は、社会主義に傾倒。この時期、ブレヒトとも親交を持つ。1929年に発表した長編小説「ベルリン・アレクサンダー広場」は“ドイツ散文の傑作”と評され、彼を人気作家に押し上げた。1933年、ナチスが政権を掌握すると、パリに亡命。その後、フランス占領軍政府の文学監督官としてドイツのバーデン=バーデンに駐留。戦後ドイツ社会の実情に落胆し、一旦パリに戻った後、50年代半ばよりドイツの病院や療養所を転々とする。1957年、死去。彼の代表作「ベルリン・アレクサンダー広場」は、ナチス時代へと傾いていく不穏な時代の社会の病理を克明に記述しているだけでなく、爛熟した文化を生み出した大都市ベルリンの魅惑的な風俗をも余すところなく伝えている。