Charity Shop 慈善商店




 イギリスの普通の商店街には必ずといってよいほどあるのが、このCharity Shop(慈善商店)です。ロンドン中心部(地下鉄区分でいうとZone1)には多くありませんが、Zone2以後になると、商店街1つあたり数軒はあります。みんな商店街の一等地にあります。うえの写真は、そのなかでも「大手」のCANCER RESEARCH UKの店で、私のフラットから7-8分のところにある店舗です。売り上げは、CANCER RESEARCH UKだと、ガン研究に使われる寄付金になります。他の商店も、それぞれの目的を掲げていて、それへの寄付金になります。

 うえの右側は店内です。売っている商品の多くは、寄付によって集められたものです。そのため、中古品が多いですが、新品の売れ残りが業者から寄付されて、並べられることもあります。みてわかるように、中古衣類が大きな割合を占めています。店に寄付の中古衣類を袋に入れて持ってくる人も良く見かけます。これが、おそらく消毒液をふりかけられて(つよい臭いがします)、商品として並べられます。店はそれほど大きくありませんから、展示の衣類商品の数は多くありません。しかし、回転率は非常によく、衣類商品についているタグの記入から推測すると、2週間くらいしか展示されないようです。その間に売れればよいですが、売れなければ、多くは処分されるようですが、他のCANCER RESEARCH UK店に回されることもあるようです。他の店も、クルマだと5-10分のところにあるので、回すのは簡単です。

 本当に多くの人がふらりと立ち寄り、中古衣料を買っていきます。新品より値段がずっと安いことはもちろんで、それが売れ行きがよい理由の一つです。また、イギリスの人は(というより日本人以外は、というのが正確かもしれませんが)中古衣料を着ることに、あまり気にかけないことも、理由でしょう。若い女性用のブランド衣料もでていることがあります。私も安いものは大好きなので、立ち寄ることも多く、これまでもいくつかの中古衣料を購入しました。そのうち、値段の安さだけが人気の理由でないことに気づきました。

 中古衣料の場合、人気がある理由の一つは、サイズと品揃えの問題です。紳士用綿パンツの例で説明します。イギリスの通常の既成衣類のサイズは、2インチ(5.08センチ)きざみで、日本の3センチよりずっと大きいです。そして、新品を売る量販店であっても、かなり大きいところでも品揃えはかなり悪く、紳士用綿パンツだとよくてデザインが3種類くらい、1種類しかないことも珍しくありません。もちろんブランド直営店だと品揃えはよいですが、値段もずっと高くなります。そうすると、ブランド品でない新品で、サイズが自分に合い、気に入った(というよりも、気にならない)デザインの綿パンツを買いたいと思ったら、どうなるでしょうか。店を何軒もぐるぐると回り、探すほかありません。

 Charity Shopだと、様々なメーカーの様々なデザインのものがあります。サイズでもメーカーによって微妙に違います。しかも、洗濯後なので、さらに違ってきます。商品の回転率もよい。自分に少しでもあったものは、Charity Shopにちょくちょく立ち寄ってこそ見つけられる、ということになります。

 店員も、時間単位のボランティヤです。どの店も、店員のなり手に困ることはほとんどないそうです。「奉仕活動」が活発ということですが、店員をやった人に聞くと、「奉仕活動」という以上に「実質的メリット」があるから、やる人が多いのだ、ということです。というのは、ブランド品などもでることがありますが、それを最初に買うことができるのは、店員だからです。気に入った高級品を非常に安く手に入れることができるかもしれないので、なり手が結構多いとのことでした。なるほど、と思いました。

 下の左の写真は、やはり「大手」のOxfamで、CANCER RESEARCH UKと同じくらいたくさんあります。こうした「大手」は、私の印象では、商品に良いものが多く、展示もゆとりを持っておこなわれていて、値段もちょっと高めです。これに対して、右のORTは「大手」でなく、他所で同じ店をみたことがなく、店舗はここだけかもしれません(確かめていませんが・・)。店内は、ピンからキリまでの商品が雑多に積み上げられている、という感じです。窓際に、額ものが並べてあるのがわかると思います。値段は全体として安めで、しかも、「大手」より値付けがおおらかですす。そのため、掘り出し物を探す人で、「大手」より混んでいるかもしれません。「大手」の値付けは、ずっと正確なようです。たとえば、名の知られたブランド品は必ずわずかに高い。Charity Shopのことは観光ガイドブックに載っていませんが、訪れるのは案外のおもしろさがあります。