バレエ「くるみ割り人形」


 12月27日昼に、かねてから希望だったバレエ「くるみ割り人形」を鑑賞してきました。South BankにあるRoyal Festival Hallでおこなわれた、モスクワ・スタニラフスキー・バレエのロンドン公演でした。公演全体としては、大変美しく、十分に楽しんできました。クリスマス公演ということで、会場は小さな子供の観客も多く、公演の最中に大きな子供の声がしたりで、「子供劇場」の感もありました。

 バレエをみるのも3作目となると、気のつくところも出てきます。今回は、一部のソロ・ダンサーとその他の群舞ダンサーの踊りに、やや難点を感じました。動きからピタリと止まるべきところで止まらない、動きのなめらかさがないことがある、するどく踊るべきときに切れがない、群舞が揃うべきところで、微妙に遅速があり、ばらけた感じがする、などなどです。素人考えだと、ダンサーが踊っているときの体重重心移動に微妙な難点があり、その結果ではないかと思いました。いいかえると、体重重心移動をコントロールできる「運動神経」と、それを実行できる「筋力」の難点といってよいかもしれません。こういうことは、夏にみた「白鳥の湖」では、まったく感じませんでした。 振り付けられた踊りの難度としては、「白鳥の湖」の方がずっと難しかったにもかかわらず。

 こういうことは、こちらの観客にはよくわかっていることかもしれません。平場席の後方とかには空席がありました。夏にみた「白鳥の湖」では、完全に満席でしたから。このようなことを考えつつ地下鉄で帰宅途中に、はたと気づきました。今回の「くるみ割り人形」は最上の席で38ポンドで、夏にみた「白鳥の湖」の半値以下の料金でした。料金は踊りのレベルを反映しているのかもしれません。

 もっとも、主役2人は上出来で、上記のような難点は感じませんでした。また、最初の幕に、少年役で登場した女性ダンサーの一人に切れの良いとおもわれる人がいました。帰りの地下鉄車内でプログラムをよむと、今年2004年にバレエ学校を卒業して入団し、すぐにセカンド・ソロについている「期待の星」の若手ダンサーのようでした。このダンサーは、いずれ主役になるのではと、思わせるものがありました。