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萩原芳子教授

 フランスと日本を比較して、一番興味をもつのはやはり言葉の問題です。言語によって異なった姿をみせる世界、ひととの関わり方も異なります。日本語にある種の居心地のよさを見出しつつも、横文字の言語のもつ力強さ、その造形力に魅せられ続けています。
 研究を始めてまもなく、西洋にはレトリックという紀元前5世紀ごろに遡る弁論の伝統があり、それが現在に至るまで、西洋の言葉とのかかわりの重要な鍵を 握っていることが分かってきました。ひとつの議論には反対の議論がある。ものごとは当事者たちが議論して解決していく。司法の場、政治の場で育ってきたレ トリックは単なる言葉の装飾ではなく、民主政治の基本です。しかし同時に、言葉はものごとをいろいろなかたちで表現し、提示することができます。ときに人 間を翻弄し、ときに慰め、笑わせてくれたりします。その技は数限りなくあります。また、声や身体表現によって驚くほど多様な意味作用をもたらします。
 研究や授業はこうした「説得の技法」やギリシャの同時代に生まれた悲劇を受け継いだフランス十七世紀の黄金時代から現代までの演劇、表現の技法、現代小 説における悲劇性、異文化とのかかわり、笑いなどを中心に取り上げています。自分で発見し、考え、表現することが大切だと信じていますので、いつも学生に 発表してもらって、教えられています。
 フランス語の授業では作文を担当しています。フランス語で手紙や小論文を書くことは、どのようにフランス流に書いて説得するかということから入るようにしていますが、2年生でもじつに面白い手紙や小論文を書いて楽しませてくれます。


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