Site menu:

専攻主任の挨拶

  フランスといえば、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。日本でよく知られているのは、フランス料理やワイン、カフェ、パリコレや美術、映画などで しょうか。これらは突き詰めていけば、すべて生活の質にこだわり、友人知人とコミュニケーションを行う機会を重んじ、さまざまな表現を大切にするフランス のお国柄の表れといえそうです。
 このような生活文化、そして文学、思想、芸術全般を含むより広範なコミュニケーションの持つ重みについて、20世紀の大劇作家で詩人のポール・クローデ ルは1920年代にフランス大使として日本に赴任した際に、日本の学生たちにこう説明しています。「数知れない侵略や度かさなる移住の結果として、二十の 異質な民族の血を継承している一人ひとりのフランス人は、自分ひとりでひとつの「独立国家」を形成し、他の独立した個人たちと交渉しつつ、「世論」と呼ば れるある種の法廷のもとに置かれています。わが国で文学や対話が重要性を帯びるのはそのためです。」
 現在もフランスは25ヵ国間を自由に往来できるヨーロッパ連合(EU)の礎を築き、旧植民地の国々や東欧、アジアなどから多くの移民や自由を求める文化 人や芸術家を引きつけています。クローデルの時代からさらに多様な社会の形成に果敢に取り組みながら、今もさまざまな芸術、思想の試みに先端的な役割を果 たし続けています。個を磨き、他者と自由に対話することが、変容していく世界のなかで新たな可能性を生んでいくことを示してくれています。そんな多様なフ ランス文化との自由な対話を通して、21世紀を生きていくみなさんとともに文化のさまざまな可能性を模索しいきたいと願っています。
                         

                             文学部教授  萩原芳子