シピボの美術と精霊たちの植物
(ペルー、ウカヤリ県)


シピボはアマゾン上流域の、パノ系の言語を話す先住民族である。出自集団は発達していないが、妻方居住婚が行われている。

(写真:ペルー、プカルパ市の近くのサンフランシスコ村のカーニバル)

彼らのもともとの生業は焼畑によるユカ(マニオク、キャッサバ)やバナナの栽培と、川での魚とりである。

農業はおもに女の仕事、漁業はおもに男の仕事とされる。

それに加えて、近年では民芸品づくりが重要な現金収入源になっている。

農業だけでなく、民芸品づくりや料理、子育てなど、シピボの女性はよく働く。

水またはマサトというお酒を入れておくための壺。マサトはユカの根からつくられ、お祭りの時にみんなで飲む。

この種の壺は、ふつう女性の顔を持っており、あらゆるものを包み込む母性を象徴している。(写真はコリン・ラビさんの作品)

(クリックすると、もっといろんな壺の写真が出ます。)

女性のスカートとして使われる布にも、壺の表面と同じような幾何学模様が描かれている。(写真はエリサ・バルガスさんの作品)

このような模様は、いろいろな植物を摂取したときに見えるヴィジョンを写実的に描きとっている。

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(2000/03/13)