明治大学知的財産法政策研究所

Intellectual Property Law and Policy Institute (IPLPI) at Meiji University

情報財の多元的な価値を考慮した著作権法の体系的再構成

平成21年度二十一世紀文化学術財団学術奨励金

研究代表者:中山信弘

概要


知的財産法の基本的な法目的は、独占権の付与とその制限のバランスをとることで、情報財(著作物等)の創作と利用の最大化を図ることにあります。しかし、著作物の利用を巡る個別の問題では、上記の法目的とはやや異質な価値、考慮要素(表現の自由、文化財保護、福祉政策、情報通信技術の発展等)が関わってきます。これらの価値については、個別具体的な問題について意識されることはあっても、著作権法の目的・体系全体との関係はいまだ明らかにされていません。
 本研究は、これらの多元的な価値を著作権法の中でどのように扱うか、あるいは他の法制に委ねるべきか、その理論的基準を明らかにすることを目的とします。そのために、情報財に関わる多様な価値の検討を通じて、著作権法体系の再構築、法体系全体における著作権の再定位を試みます。

目的



研究成果