| 日時 | 2011年10月7日(金) 16:20 ~ 17:50 |
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| 場所 | 駿河台キャンパス リバティタワー 13階 1133教室 |
| 講師 | 茨城キリスト教大学 教授 染谷 智幸 |
中国・明の『剪灯新話』の影響を受けた東アジア文学を眺めてみると、各国の文学・社会の特色が鮮明に見えてくる。例えば、怪異を封じ込めるお札・護符の扱いがよい例である。日本では『剪灯新話』の影響を受けた作品(『伽婢子』『雨月物語』『怪談牡丹灯籠』など)が多く登場し、怪異談が人気を博した。これらの中では、お札・護符は概して大切なものとして扱われる。神仏や怪異は、畏怖されたり遠ざけられたりする対象である。一方、朝鮮でも『金鰲新話』『洪吉童伝』『九雲夢』など、『剪灯新話』の影響を受けた小説が作られた。しかし、怪異表現は日本と異なる。そのよい例が、『九雲夢』の主人公、楊少游が、護符をビリビリに破る場面である。ここには現界と異界は幽明を隔てても、両者を貫く真情と道理は変わらないものであるという理性的思考が鮮烈に提示されている。中国と日本の関係を見るだけでは見落とがちな日本文化の特徴や、怪異小説が様々な形で展開していく可能性が、東アジア世界を視野に入れることで浮かび上がってくる。
(参加者: 45名) (牧野淳司)

