見直したい教員室の「ドア」

   西川伸一  * 『明大組合ニュース』1997年10月6日号(第224号)掲載

 学長室の一四プロジェクトのうち、私が最も関心のあるのは学生生活環境検討委員会。その方針「学生の立場にたつキャンパスライフの確立を目指す」に寄せて提案がある。

 それは、新校舎の教員室のドアを大きな窓付きのものにしてほしいということだ。

 たかが「ドア」と思うなかれ。教員室は学生にとって入りにくいものだ。質問があってもドアが堅く閉ざされていると、目当ての教員が在室しているかもわからず、ノックする気も萎えかねない。

 一方、私が非常勤をつとめている東京郊外のある中規模大学では、教員室のドアに大きな窓がある。しょっちゅう、学生がそこから中をのぞき、教員の所在を確かめている。ドア横には職員の席があり、学生と教員の取り次ぎをフランクに果たしてくれる。

 教員室とは教員が授業の前後に控える場であるのみならず、教員と学生がコミュニケーションをはかる場でもあるはずだ。私が常々もどかしく感じているのは、本学の学生と教員の間に心理的距離がずいぶんあるということ。教員室の冷たいドアもそれを助長しているのではないか。

 学生の立場にたって、ドアを心のカベにしない手を打ちたい。とはいえドアを窓付きにして、その横に職員席を配置するだけのこと。実現方を委員会にぜひお願いしたい。


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