ミシガン州立大学とランシング (更新日2002/10/19)

 ミシガン州には州立大学として、ミシガン大学(University of Michigan)とミシガン州立大学があります。UM(あるいはU of M)とよばれる前者はデトロイト近くのアナーバー(Ann Arbor)という街にあり、ここイーストランシングから車で1時間半くらいです。UMへは明大から何人かの先生が行かれていると聞いていますが、MSUへは私が初めてかもしれません。
 MSUがあるイーストランシングは、その名が示すようにランシングの東側の小さな田舎街で、大学の他には田園と自然以外は何もないところです。もっともミシガン州の州都だと地元の人々は誇りにしているランシング自体も、贔屓目で見ても、決して都会ではありません。この辺りの事情を和田充夫氏は次のように記しています。

 「通常、アメリカの州では経済の中心と政治の中心とが完全に別になっており、州最大の都市が州都であることはまずなかった。シカゴもイリノイ州の州都ではないし、ニューヨークもニューヨーク州の州都ではなかった。ミシガン州もその例外ではなく、州最大の都市であるデトロイトやグランド・ラピッツは州都ではなく、ランシングは政治の中心として官公庁の集まった小さな町だった。しかも、ミシガン州立大学があるイースト・ランシングは、ランシング郊外にある、大学のみによって成り立っているようなさらに小さな町だった」(和田充夫『MBA』講談社現代新書、14ページ)。

 それどころかアメリカ自動車産業の衰退とともに失業者が増え、周辺の町とともに市の教育予算カットで小中学校の教員削減および閉鎖と統合が相次いでいます。私事になりますが、私の中学1年になる娘も一緒に渡米したのですが、これまででしたら外国人学生のために数人の教員(ESL教員)が担当してくれていたのですが、目下、一人の教員が複数の学校を掛け持ちでもっている状態のようです。そのため娘のESLの時間も削減。とんだとばっちりが我が身にもふりかかってきたわけです。

 さてそのMSUですが、アメリカ中西部にいくつかあるランドグラント大学( Land-grant University)の一つです。このランドグラント大学というのは、リンカーン大統領の時代に、アメリカ中西部を中心として、主に農業振興を目的として設立されたものらしい。確かにキャンパスは広大で、キャンパスのはずれに続く農場の先に地平線が見えるという表現が決して比喩的ではないのです。そして農学部が看板学部であることもその伝統を引き継いでいることの証拠でしょう。さらに、もう一つ耳寄りな話。 キャンパスのほぼ中央にある Daily Store で売られているアイスクリームが美味しいのは知る人のみが知る「有名」な話で、先日、甘いモノがあまり得意でないこの私も試してみたところ、評判通りでした。少なくとも日本の長野・清里のそれよりは数段上でした
大学の中心を東西に流れる美しいRed Cedar River

 MSUの「誇り」のもう一つはフットボールです。(UMを意識してStateの、そしてニックネームとしている古代ギリシャの勇者Spartanの)をシンボルマークとしたMSUフットボールチームは大学の誇りであると同時に地元の誇りとなっています。週末にキャンパス内のスタジアムで試合がおこなわれると、街をあげてシンボルカラーである緑と白の風船や旗で飾り付けされ、スーパーマーケットの中もグリーンとホワイト一色(?)になるのです。"Green Go ! White Go !"  そして普段は絶対に交通渋滞など無縁なところですが、試合がおこなわれる週末は例外。広大な芝生の空き地も駐車場と化し、車車車。この秋から始まった02リーグは、今一つ調子が出ないようですが、イーストランシングとランシングがMSUのためにつくられ、MSUとともにあることのあらわれなのです。



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