9.源氏物語 重層する歴史の諸相
 

日向一雅 編  竹林舎 版 2006年4月発行 
ページ501P サイズA5 定価13,650円

明治大学古代学研究所主催のシンポジウムの記録を基にして、さらに12名の研究者の寄稿をまとめた論文集。「物語の史的空間」「物語の祭祀・宴・儀礼」「物語と中国文学」の3部構成


Ⅰ.物語の史的空間
 仁平道明「『源氏物語』の世界と歴史的時間-延喜・天暦准拠説との訣別」
 藤本勝義「源氏物語の準拠と紫式部時代の史実-光源氏の元服と薫の出家志向をめぐって-」
 久富木原玲「平城天皇というトポス-歴史の記憶と源氏物語の創造」
 福長  進「「源氏」立后の物語」
 辻  和良「明石中宮と「皇太弟」問題-「源氏幻想」の到達点」
 吉野  誠「歴史をよぶ桐壺巻-仁明・光孝・宇多・醍醐朝との交錯点」
 袴田光康「雲林院の律師-反復される仁明朝と明石物語の構造」
 加藤静子「寛平御遺戒を介して光源氏の物語を読む」
 久保田孝夫「源氏物語における旅-地理的空間を中心に-」

Ⅱ.物語の祭祀・宴・儀礼
 小山利彦「源氏物語と皇城地主神降臨の聖空間
         -紫の上・朝顔の斎院そして光源氏の聖性の基底-」
 中島和歌子「陰陽道の七瀬祓と『源氏物語』澪標巻の難波の海の祓
          -八十嶋祭・住吉信仰・神功皇后伝承と明石の君との関係をめぐって-」
 原  豊二「初音巻の臨時客-歴史と物語を紡ぐ〈誌〉の世界の考察-」
 浅尾広良「花宴と藤の宴-重層する歴史の想像力-」
 湯浅幸代「『源氏物語』に見る太上天皇の算賀-王権の世代交代と准太上天皇・光源氏-」
 日向一雅「源氏物語「螢」巻の騎射と打毬」
 高木和子「源氏物語における「みやび」について」

Ⅲ.物語と中国文学
 長瀬由美「『源氏物語』と中国文学史との交錯-不可知なるものへの語りの方法-」
 金  孝珍「算賀考-老人の境界年齢を中心として-」
 工藤重矩「詩経毛伝と物語学-源氏物語螢巻の物語論と河海抄の思想」

 

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