メタ超心理学研究室

研究討論会活動


2004年12月11日(土曜)

超心理学会大会シンポジウム事前討論会

コーディネーター:石川幹人


シンポジウム:超能力少年出現30周年を迎えて


 1970年代初頭にユリ・ゲラーが登場し、世界各地で超能力ブームを巻き起こした。日本にもゲラーが紹介されると、1974年には、スプーン曲げを行なう多くの少年少女が現れ、社会現象として大きく注目された。彼らの一部は、超心理学の実験に被験者として協力し、超心理学の研究の進展に少なからぬ貢献をした。けれども一方で、メディアがからんだ真偽論争などの加熱状況が生じ、彼ら自身も多大な影響をこうむった。
 それから30年が経過した本年、当時を冷静に振り返りながら、学会としてできることはなんだったのだろうか、将来、またそうした少年少女が現れたら何ができるだろうか、といったことを考えてみたい。具体的なテーマとしては、次の諸点があげられる。

 ・過去の特異能力者の実験についての反省
 ・特異能力者の実験を行なううえでの倫理的問題
 ・とくに、その能力者が未成年であるときの倫理的問題
 ・特異能力を発揮しやすい実験環境の物理的・心理的設定方法
 ・能力者の立場に立ったスケジューリングやコンサルタント
 ・特異能力者たちの交流の場づくり(心理-社会的文脈の構築)
 ・特異能力者(+研究者)とメディアとの関わり方
 ・参与観察法や現象学的研究法など新しいアプローチの模索

 本シンポジウムでは、まず志水氏に当時の社会現象としてのスプーン曲げブームを歴史的に解説していただく。次に、当時被験者として最も活躍した清田氏に、被験者の立場から実験を振り返って、改善点・反省点を指摘いただく。この部分では、当時若手の研究者として、主担当研究者と被験者との調整の役割を果たした早瀬氏・芳賀氏に、指定討論者として議論の方向づけをしていただく。続いて、当時の主担当研究者であった、佐々木氏・大谷氏に当時の研究成果の概要とともに、将来に向けた展望をお話しいただく。ここでは、当時の研究の一部に加わった沼田氏・志賀氏に、指定討論をお願いした。なお、他の主担当研究者には、笠原氏、(故)宮内氏があげられる。今回は残念ながら出席いただけないが、笠原氏には当時の代表的論文を転載させていただいた。


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