3. 超心理実験の実際

明治大学情報コミュニケーション学部教授
メタ超心理学研究室 石川 幹人

本章では,超心理実験にはどのようなものがあり,どの程度の実績があるかについて述べる。前章でライン流の実験手法については一通り済んでいるので,ライン以後,現在までに生まれた注目すべき実験手法について述べる。
 まず,ライン流の強制選択法を脱して,被験者の自由な内観イメージを重要視する実験手法を3つ示す。それらの先鞭をつけたのがドリームテレパシー実験(3-1)であり,夢見状態にPSIが起きやすいという点に注目した。それを改良して感覚遮断状態で行なおうというのが,ガンツフェルト実験(3-2)である。より簡便な実験設備で実施でき,多くの研究所で実験され,再現性の高い結果が得られている。リモートビューイング実験(3-3)は,遠隔地の風景を透視するものであり,軍事利用の可能性からCIAの研究費を受けて,物理学者が研究に携わった。通常の覚醒した意識状態で行なうせいか,特別な被験者に依存する割合が高い。
 PSIの存在を裏づけるのに有力な実験は次の2つである。予感実験(3-4)は生理学的指標を使い無意識の予知的反応を統計的に調べる。もっとも再現性の高い実験ができると期待される。乱数発生器実験(3-5)は,ターゲットを決定するときに使う物理乱数発生器をそのままPSIの対象とするものであり,実験設定上の不備や統計解析上の誤りが入りにくく,PSIの存在証明を主張しやすい。
 最後の2つには最近の興味深い実験を挙げた。動物PSI実験(3-6)は,先の乱数発生器に動物のPSIが働くことを明らかにする実験設定であり,地球意識プロジェクト(3-7)は,乱数発生器に地球規模の何らかの作用が働くことを明らかにするものである。ともに有意な結果が得られているものの,実験者効果(4-9)の可能性も指摘される。

第3章の目次
3-1 ドリームテレパシー実験
3-2 ガンツフェルト実験
3-3 リモートビューイング実験
3-4 予感実験
3-5 乱数発生器実験
3-6 動物PSI実験
3-7 地球意識プロジェクト


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