エコ・グッズ、サービス&ビジネス博物館

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グリーン・コンシューマーの展示


エコ・グッズとグリーン・コンシューマーの台頭


 わが国では、1960-70年代に、事業所からの排水のみならず家庭からの排水が河川湖沼の汚染が全国的に広がり、水生生物の生息環境を著しく悪化させました。家庭排水汚染の原因は、主に単独浄化槽の普及による台所・浴槽の下水の河川への流入と化学合成洗剤の利用拡大にありました。富栄養化による藻類の過剰繁茂や悪臭や魚類の斃死は、洗剤メーカーのみならず、消費者・生活者自らが、水質汚染の原因者であることの反省を促しました。特に滋賀県琵琶湖の汚染の深刻化は、地域住民による様々な改善策の提案・実行に結実しました。汚染規制条例の制定運動、生協を中心とした汚染の少ない洗剤の開発・生産・積極的な購入、さらにはメーカーへの代替的な低汚染洗剤の開発要請など対策は多岐に及びました。このような消費者自らの反省と活動を通じて、環境への配慮がなされた商品を選好するグリーン・コンシューマーが層として形成されたのです。
 他方、この間、食品公害や食品添加物および残留農薬の発ガン性が社会的に問題となり、自ら購入し消費する農産物や加工食品の安全性に強い関心を示す消費者が現れました。また生産者も、自らの使用する化学肥料や農薬の人体への毒性に自覚的になり、またそれらの土壌への蓄積による土壌生物への悪影響や河川や地下水への流出による汚染問題についても危惧するに至りました。農薬や化学肥料を排除した有機農業への感心が、消費者サイドからも生産者サイドからも高まり、全国各地で個人や小規模組の生産者と小規模の消費者グループや生協組織との間で有機農産物の流通が始められました。しかしながら、80年代後半期(?)までは、こうした運動は全国に点在するにとどまり、有機農産物の宅配サービスや小売店舗が都道府県レベルでの事業展開から全国レベルまで拡大するためには、90年代以降のグリーン・コンシューマーの本格的な台頭を待つ必要がありました。以上の経緯については別添の年表を参照してください。



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