研究概要

笠研究室について

明治大学総合数理学部 笠研究室は,2016年4月に開設した新しい研究室で,光ファイバ通信システム,光無線通信システム,光ファイバ関連測定技術等の研究を行っています。
研究室は,JR中野駅からほど近い明治大学中野キャンパスにあり,都心に使い環境で最先端の研究を行っています。


研究概要 

現在の研究は,主に以下の内容を中心に行っています。
1.光無線通信(Optical Wireless Communication)方式の研究
2. 長距離コヒーレント光ファイバ通信システムの研究
3.光通信関連測定技術の研究


1.光無線通信技術の研究

動画配信サービス等の進展により,現在の携帯電話ネットワークは,本来割り当てられた電波周波数資源だけでは,通信容量が不足し,これを補完する手段として,Wi-Fiネットワーク使われています。
しかしながら,人が多く集まるイベント会場や駅などでは,Wi-Fiを使用しても,通信容量が逼迫している状況です。
このような状況を打破する手段として,身近にある照明から出される光に携帯電話に向けたデータを載せる光無線通信方式の研究を行っています。データを光に載せるので,光を表す英語"Light"の"L"を"Wi-Fi"の"W"と入れ替えた"Li-Fi"という造語も登場し,昨今注目を集めている技術です。
しかしながら,光無線通信技術は光の空間伝搬を用いているため,物理的に遮るものがあると,通信が遮断されるという本質的な問題点があります。そこで,このような問題点を打破すべく,当研究室では,ダイバーシティ送受信方式についての検討を進めています。また,光無線通信システムの大容量化,多機能化を目的としたMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術に関する研究も進めています。MIMO技術は無線通信技術では既に実用化されていますが,当研究室では,これを光無線通信システムに適用する研究を進めています。


2.長距離コヒーレント光ファイバ
  通信システムの研究



長距離光ファイバ通信技術の進展には目覚ましいものがあり,これまでの光の強度を利用した変調方式ではなく,光の位相を利用するディジタルコヒーレント光通信方式が,2010年頃から実用化されています。コヒーレント光ファイバ通信方式は,1980年代から研究開発が進められていた技術ですが,長い研究の歴史を経て最近実用化された技術です。現在の最先端の技術では,QPSK,16QAM等の変調フォーマットを用いることにより,1波長あたり100Gbit/s, 200Gbit/s以上の伝送を行うことができるようになりました。
このように光通信技術の大容量化が実現され,光の強度だけではなく,位相までをも通信に利用するようになったことをきっかけに,従来の強度変調技術では知覚されなかったような,光ファイバ上で生じる複雑な物理現象,例えば非線形光学効果等が伝送特性に与える影響が注目されるようになってきました。
そこで,このような伝送上の問題点を明らかにし,それを解決するための方策についての研究を行っています。

3.光測定技術の研究

コヒーレントヘテロダイン検波技術は,光測定技術の分野においても古くから利用されてきましたが,アナログ信号処理が主たるものでした。しかし,ディジタルコヒーレント光通信方式の研究が活発化した21世紀からは,ディジタル信号処理を光測定技術に応用する研究が活発化しています。
ディジタル信号処理を用いることにより,いわゆるオフライン処理も可能となり,これまで見えなかった光ファイバ内の現象が実際に確認できるようになってきました。
当研究室では,コヒーレントヘテロダイン検波技術とディジタル信号処理を組み合わせた測定技術に関する研究を行っています。特に以下の研究に力を入れています。
・レイリー散乱光の測定技術
  光ファイバに加えられる応力に起因する歪み測定,振動測定,複屈折分布測定
・ブリユアン散乱光の測定技術
  光ファイバに加えられる応力に起因する歪み測定,振動測定


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明治大学総合数理学部 笠研究室

〒164-8525
東京都中野区中野4-21-1

1207室(研究室),1208室(実験室)