◆趣意書

 本会は、21世紀に入ってなお混迷の度を深める世界の現実を冷静に見極め、本来、人が人として拠って立つところの社会は如何にあるべきかを原点から問い直し、誰もが人間らしく真の豊かさを享受できる「社会環境」を模索し、研究成果を広く社会に提言することを意図する。

 20世紀末の東西冷戦の終焉後、世界は「グローバリゼーション」のうねりの中で大きく構造変化を遂げることになった。「グローバリゼーション」は、市場原理・競争原理や経済利潤の絶対化を前提として、世界規模で制度や価値観の一元化を推し進めている。

 しかし、この結果もたらされたものは、国内外における格差の拡大、社会的連帯や社会意識の崩壊、歴史意識や伝統文化の喪失など、社会の根底をゆるがす弊害である。また、資源の枯渇と環境の破壊が急激に進行し、人類社会の危機さえ予見させるにいたっている。世界に蔓延しているナショナリズムやエスノナショナリズムの昂進や、宗教に名を借りた紛争の頻発も「グローバリゼーション」に起因する。

 20世紀において既に、人類生存の可能性は核兵器・環境問題・南北問題・人口圧力問題に対処しうるか否かにかかっていると指摘されたが、これらの諸問題とともに21世紀に我々が当面する上記の問題も、人類がつくりだした病根であり、未来社会の存亡にかかわる不安要素である。現在を生きる者として、社会に内在する諸問題の解決に真剣に努力することは未来社会に対する責務であることは言うをまたない。

 本会では、以上のような認識に立って、複雑、多様な社会の諸問題を広い視野から多角的に解き明かそうとするものであるから、自然・人文・社会科学の既存の学問分野だけではなく、医療・福祉や教育関係者、ジャーナリスト、アーティスト、さらには生活体験と見識豊かな市民など様々の分野の人々の参加を期待する。

 本会は、定期セミナー・講演会その他の催事の開催、および、会報・紀要・著書の刊行などの事業を行なう。事業に際しては、地方および海外における、本フォーラムと関心を共有する諸氏・団体との交流・協力を促進する。また、本フォーラムが求める同時代的課題意識を有する若手の研究者・ジャーナリストなどへの積極的な協力および育成を図る。

2007年10月1日


◆会則

第1章 総則
<名称>
第1条 本会は、社会環境学会と称する。
<事務局>
第2条 本会の事務局は、学校法人明治大学政治経済学部に置く。
<目的>
第3条 本会は、「人間らしい尊厳と豊かさ」が実現される社会環境を多面的・総合的に求め、各分野の研究者が相互研鑽を図り、研究成果を提言することを目的とする。従って、会員を特定の専門領域に限ることなく、広く多様な視点での活動を推進する。
<事業>
第4条 本会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
@研究大会、公開セミナー、研究会(フォーラム)、講演会の開催
A機関誌『社会環境論究』の編集・発行
B会報『社会環境フォーラム21』の編集・発行
C研究叢書の編集・発行
D会員相互の連絡
E他研究団体及び諸地域社会との交流
Fその他理事会が必要と認める事業

第2章 会員及び会費
<会員>
第5>条 本会の会員は、本会の趣意に賛同する個人会員と団体会員とによって構成される。
<入会の承認>
第6条 本会の会員は、入会に際して理事会の承認を得なければならない。
<会費>
第7条 本会の会員は、別に定める所定の会費を納入しなければならない。

第3章 役員
<役員及び定数・任期>
第8条 本会は、理事、監査、幹事の役員を置く。
@理事(うち、理事長1名、副理事長2名) 20名以上25名以内、任期3年。但し、再任は妨げない。
A監査 2名、任期2年。但し、再任は妨げない。
B幹事 若干名、任期2年。但し、再任は妨げない。
2. 役員のうち任期途中で変更あるときは、後任者の任期は前任者の残任期間とする。
<理事及び理事会>
第9条 理事は、総会において選任する。
2. 理事は、理事会を構成し、会務の運営にあたる。
3. 理事会は、理事の中から理事長1名、副理事長2名を選任する。
<理事長及び副理事長>
第10条 理事長は、理事会及び会務の運営を統轄し、本会を代表する。副理事長は、理事長を補佐する。
2. 理事長は、毎年度1回総会を招集し、随時理事会を招集する。
3. 理事長は、総会及び理事会の議長となる。
<監査>
第11条 監査は、総会において選任する。
2. 監査は、本会の会計を監査する。
<幹事>
第12条 幹事は、理事会が委嘱する。
2. 幹事は、事務局業務、他研究団体及び諸地域社会との交流事業に関する業務等を担当する。

第4章 委員会及び委員
<委員会・委員>
第13条 本会は、本会の事業を推進するため、理事会が認める委員会及び委員を置くことができる。
2. 委員は、理事会が委嘱する。
3. 委員の任期は、当該委員会の解散とともに満了する。

第5章 顧問
<顧問>
第14条 本会は、理事会が必要と認めるとき、顧問を置くことができる。
2. 顧問は、理事会が委嘱し、任期は2年とする。
3. 顧問は、理事会の諮問に応じ、会務の運営に助言を与える。

第6章 経費及び会計
<経費>
第15条 本会の経費は、会費、寄付金、その他の収入によって支弁する。
<会計年度>
第16条 本会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
<会計報告>
第17条 理事会は、毎年総会において会計報告を行わなければならない。
2. 監査は、毎年会計年度終了後に監査を実施し、監査の結果を総会に報告して承認を得なければならない。

第7章 会則の変更
<会則の変更>
第18条 本会則の変更は、総会において、出席者の過半数の同意により議決する。

附則 本「社会環境学会 会則」は、2010年2月1日を以て発効する。

以上