まずはじめに、なぜ歌代ゼミを選んだのか、教えて下さい。

 出身高校ができたばかりの学校で、私はで4期目だったのですが、その影響もあってか「伝統があって、制度もきっちりしていて…」という環境には惹かれなかったんですね。 それよりは、ゼミの文化を新しく創る側に立ちたかったんです。歌代ゼミは比較的新しく、それに相応しい環境であると感じました。
 新しいゼミは他にもあったのですが、歌代ゼミの先輩たちは個性豊かで、それまでに触れたことのないような面白い人に会えるだろうなと感じ、歌代ゼミに決めました。

 文化を創っていきたかったとのことですが、その実感はありますか?

 ありますね。あらゆることを、自分たちで考えて実行に移していこう、というスタンスは、しっかり根付いていたと思います。
 特に、OB会を開催できたことはよかったと思います。それまで歌代ゼミでは、学年を超えた、特に卒業生を交えた “縦のつながり” は殆どなかったんですが、卒業生の方からの提案もあり、第一回のOB・OG会を実施することができました。 もちろん今でも毎年開催されていて、喜ばしい限りですね。

 歌代ゼミでの思い出を一つ挙げるとしたら、なんですか?

 ゼミプレですね。これは二つの点でゼミにとって意義のある出来事だったと思います。一つはゼミで初の三冠を達成できたという結果の点、もう一つはこのプロジェクトを通してゼミのメンバー同士に信頼関係が築かれたというプロセスの点です。
 特に二点目は、私にとって非常に嬉しかったです。というのも、それまではゼミが始まって間もないということもあり、ちょっと硬い感じだったんですね。まぁ、僕は大体一人で空回っていたので、他の人はそうじゃなかったのかもしれないけれど(笑)
 でも、ゼミプレを通してチーム内でアイデアを練り上げるだけでなく、次第にメンバー同士がチームを越えて互いにアドバイスしあっていくようになっていったんですね。勿論、チームごとに色々な課題に直面していてプレゼンが終わるまで全く気を抜けなかったのですが、そんな困難の度にメンバーの長所が発揮されて乗り越え、一つ一つの歯車が噛み合いながら加速度的にゼミ全体の熱量が高まっていく、そういう場に立ち会えたことは今でも本当によかったと思います。

 歌代ゼミに入って良かった、と感じる事を教えて下さい。

 同期の存在はすごくありがたいですね。みんな、社会人になってからも各々違うフィールドで頑張っていて、会う度にどんどん変化している。気恥ずかしくてあまり言ってないのですが、そういう同期の存在には今まで何度も勇気付けられてきたんですよ。
 それと先輩の存在にも助けられていますね。先輩には在学中から社会人になった今も、仕事だけでなく自分の幅を広げてくれるようなことを色々と教えてもらっています。なんとか自分も成長した所を見せたいと思うのですが、やっぱり今でも教えてられてばかりで(笑) 私にとって同期が後押ししてくれる存在なら、先輩は引っ張ってくれる存在ですね。共に欠かせない人達です。

 歌代先生はどんな人ですか?

 まず間違いなく言えるのは人にせよ物事にせよ面白いものが好きで、その範囲も圧倒的に広い方だということですね。私がゼミ試を受けた時のエピソードなんですが、エントリーシートに “これまでに読んだ中で、興味深く感じた経営学に関する本のタイトルと感想をかけ” という課題があったんですよ。
 で、私は、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を挙げて・・・

 ・・・経営学に関する本では、ないですよね?(笑)

 ですね(笑)。一応、歴史小説ではあるけれども、経営戦略として考察出来る部分があって興味深い、という考えがあってのことだったんですが、自分の言葉足らずな部分もあり、先輩達にはうまく伝わらず、不合格が決まりかけていたんですよ。
 ところが、そんな私に先生が目をつけてくれて、一発逆転、ゼミ試に受かった、と。先生の、その鶴の一声がなかったら、誇張ではなく人生大きく変わっていただろうと思います。

 現在は、一橋大学の大学院に通われているのですね?

 はい。今は社会学研究科に所属しています。元々、歌代ゼミでの研究でも、SNS上での人間関係の形成過程とか、若者の音楽依存について踏み込むこともあったので、社会学には興味がありました。そうした研究テーマを通じて一貫して抱いていた問題意識は一言で言ってしまえば「若者の抱える不安はどこから来て、どのような現象を起こしているのか?」ということでした。大学院でもこのテーマに一貫して取り組んでいきたいと思っています。

 企業で働いてから大学院に進んだそうですが、それはなぜだったのでしょう?

 動機としては、将来の姿、それも10年先とかでなく20年30年先の自分の姿をイメージした時、一番しっくりきたのは、企業で働いている姿より教育や研究に携わっている姿だったんです。まだ解決されていない課題や発見されていない問題に、様々な研究成果や調査を通して自分なりの着想で結びつけて一つのアンサーを提出していったり、様々な人が抱えている問題意識を刺激してそれが伸びていく手助けをしている・・・そういう風景を想像した時、すごく充実しているだろうなと思えたんです。それで、そのためにはやはりしっかりと学問の基礎を築くことが必要だと思って、大学院への進学を決意しました。
 経緯については話すと長くなってしまうので、興味を持たれた方は私にメールとかしてもらえれば幸いです(笑)

 これからゼミを選ぶ学生の皆さんへ、メッセージを!

 ゼミの環境に自分を合わせる必要はなくて、その中で何をするかが重要だと思います。主体性をもって行動する事で、その環境に刺激を与える事も出来るはずなので。
 そもそも、特定のゼミに対するイメージなんて、殆どが学生の中で勝手に作られたもので、興味がないと思っているゼミでも、意外とマッチするかもしれないものです。
 歌代ゼミにもぜひ、いろんな人に来てほしいと思います!