●最終稿を仕上げる
最終稿を仕上げるうえで大事なのは、まず、論文として必要な形式的要件
を確認することです。などというと、当たり前のことを、何をいまさらと思うか
もしれませんが、今まで、目次のない論文や、目次があってもそこにページ
数が書いていないような論文を目にしたことがあるものとしては、まずそこ
をきちんと押さえてほしいと思えてならないのです。
必要なものは、まず、表紙です。今までは、ふちに布が張られた黒いボール
紙の表紙を使うのが普通でした。二つの穴を開けて、紐でとじるタイプのもの
です。表紙に記すべきことも、規定で決まっていますので確認して過不足なく
記して下さい。一般的には、論文題目(副題も含め)・学籍番号・氏名・指導教
員名を記すことになっています。
次に、中表紙です。これは、本文の紙と同じで構いません。表紙を開けたらい
きなり目次や本文が始まるのは、やはり、論文(というか書物)として見て、奇
妙なものです。中表紙には、論文題目と氏名程度で構わないでしょう。
次に、目次です。本文と対比させて間違いのないように記します。目次には、
章・節・項ぐらいのレベルまでをとりこみます。そして、これも本文と対比させな
がら正確にページ数を記していきます。ちなみに、目次までは、一般的には論
文の枚数に入りませんので、目次自体のページは、i ii iii iv vのように、ローマ
数字を打つのが普通です。
次に、本文です。本文には、論文題目や名前は書く必要がありませんので、す
ぐに、「第一章 ○○の分析」のように始めていきます。章が改まったら、改ペー
ジをして、紙を改めます。「第○章」の部分は、つねにページの最初の行にある
ことになります。本文にはページ数(ナンバリング)が必要です。ワープロだと自
動的に付けてくれる場合もありますが、自分で設定しなければならないことが
普通ですので、マニュアルあるいはヘルプなどを参考にしながら、どうしたらペ
ージを付けられるかを調べて設定します(MS-WORD、いわゆる「ワード」の場合、
「文書設定」ではなく「挿入」というところで「ページ数」の付けかたを設定するこ
とになっているのを知らない人が結構いるようで、手書きでページ数を付ける人
をちょくちょく見かけます)。ちなみに、例えば、5枚目から1、2、3…ページと付
けるというようなことも設定次第では可能ですから、研究してみてください。手書
きの場合は、当然手で書き込んでいくわけですが、うっかりページを飛ばしたり
しないよう注意が必要です(手直しをするのは大変です)。またB4を折った用紙
だと、折り目の右が奇数ページ、左が偶数ページになります。よく、折り目の右
側にだけページを連続して記している場合がありますが、これだと、裏側のペー
ジを呼ぶのが面倒です。「3ページ表」とか「3ページ裏」などと呼ぶのは、まるで
江戸時代の版本みたいで、いきなようなまぬけなような感じになります。
本文の書式設定は、ワープロを利用する際には、気を付けて設定します。どうい
う理由からか、途中で字が小さくなったり、別の字体(フォント)が紛れ込んだり
と体裁が悪いものを、時に見かけます。ちなみに、私の場合、B5版のときには、
38字×34行という設定を愛用しています。これだと字の広がりかたがきつくも
なく間延びもせずという感じになるように、自分では思えています。
次に、注です。注は、1)各節ごとに節末につける、2)各章ごとに章末につける、
3)全体を通して本文末に付ける、4)脚注あるいは左注形式にする、などいくつ
か方法があります。ワープロソフトによっては、脚注をスムーズに付けられるよ
うなサポートナビがあるものもあります。どのやり方をするにしても、統一するこ
とが必要でしょう。
次に、参考文献です。参考文献も、著者50音順、論文名50音順、執筆年代順
などがありますが、これも統一します。
次に、お好みで、あとがきをつけるのもいいでしょう。
最後に、裏表紙がきて、おしまいです。