●注の付けかた

注の様式としては、1)同一ページに脚注にする、2)節ごとに注をつける、3)章
ごとに注をつける、4)全体の通し注にする、といった方法があります。

脚注は、同じページで注が読めて迷わないという便利さがありますが、原稿用
紙に付けようとするとスペースがない(予め、脚注のためのスペースを開けた
原稿用紙も捜せば見つかりますが。それでも、1頁400字をまず確保している
ものになります)、ワープロソフトの場合だと、設定が面倒といった難点がありま
す。

節ごとの注というのは、本文と注の間が短くて、本文を見ながら、かなり後ろの
頁の注を見るという面倒がなくてよい半面、下手をすると、注の部分を見落とし
てしまったり、書く側も、うっかり書き落してしまうということが考えられます。

章ごとの注は、ごく一般的なものです。これだと、注は次章との区切り目にある
ことがはっきりしていますし、ある程度まとまった分量になりますから、見落とす
こともなくなります。が、これも注自体が少なかったりする場合には、やはり、見
落としてしまう危険性があります。

論文1本全体を通した注にするという方法は、本文全体の最後に注の部分を付
けるというものです。具体的には、

  終 章  結論と残された課題
    第1節 結論
    第2節 残された課題
  

  参考文献


というような並べかたにするものです。60〜80枚の卒業論文であれば、これが
一番よいように思います。執筆する際にも、「本文用のワープロファイル(原稿用
紙)」と「注用のワープロファイル(原稿用紙)」の二つを用意し、本文に注が入る
ときに、同時に注の部分も書いて、あとで両者を結合すればいいことになります
から、初めて論文を書く際にも、比較的まごつかないのではないかと思います。

注を本文に入れる場合には、
  このような考え方(注1)に基づき
のように、本文と注の文字が同じ大きさであるようなやり方もありますが、
  このような考え方(注1)に基づき
のように、本文よりも、やや文字を小さめに表記するのが見やすいように思いま
す。今のワープロソフトでは、文字を小さくするのはそう難しくないので(フォントの
ポイントを下げる操作になります)、挑戦してみてほしいのですが、そういうことは
苦手だという人は、同じ文字の大きさでもかまいません。

注であることを表示する方法は、いろいろで、
  このような考え方(1)に基づき
  
このような考え方(注1)に基づき
  
このような考え方(*1)に基づき
のように、数字だけで注であることを示す(この場合は、文字を小さめにすること
が必須)、「注1」と漢字を使う(昔の論文だとごんべんの「註」を使っているものも
あります)、「*1」とアステリスクを使うなどがありましょう。なお、縦書きの場合で
もアラビア数字で注を付して問題ありません。

注の番号は、脚注の場合は、頁ごとに
  1頁 注1・2・3…
  2頁 注1・2・3…
となり、節ごとの注の場合は、
  第1章 第1節 注1・2・3…
       第2節 注1・2・3…
       第3節 注1・2・3…
  第2章 第1節 注1・2・3…
となり、章ごとの注の場合は、
  第1章 第1節 注1・2・3
       第2節 注4・5・6
       第3節 注7・8・9…
  第2章 第1節 注1・2・3
       第2節 注4・5・6…
となり、論文全体の通し注の場合は、
  第1章 第1節 注1・2・3
       第2節 注4・5・6
       第3節 注7・8・9
  第2章 第1節 注10・11・12・13
       第2節 注14・15・16…
となります。要するに、再び注1にもどる場所が異なるわけです(論文全体の通
し注の場合は、1にはもどりません)。