明治大学ELM(法・医・倫理の資料館)

西ライブラリー

西ライブラリーのご紹介

当資料館では、西三郎先生が所蔵していた公衆衛生関連の図書系資料を整理・収蔵しています。

西三郎関連資料

西三郎関連資料

現在のELMの資料群の中核は、唄孝一先生が収蔵されていた資料群ですが、そのいわば唄ライブラリーをある時は支え、またある時は補充するものとして西三郎先生が収蔵されていた資料群(西ライブラリー)があります。

当資料館では、調整作業中に発見された西三郎先生の直筆のノートなど多数を保管しています。例えば、昭和41年10月1日から使用されていたノートには、公衆衛生基本法についての議論がメモされています。ご存知の通り、そのような名前の法律はありません。

現在、医療基本法という名の法律の法案が関係各所から出されています。それらにおいて、はたしてどれだけ公衆衛生について気が配られているでしょうか? このメモは、現在盛んになされている議論を冷静に見つめさせてくれます。

また、昭和51(1976)年1月18日に開催された第7回日本医事法学会のことが記録されたノートでは、鈴木俊光先生(当時明治大学教授)の「診療過誤についての一考察」という報告の、記録があります。

ノートをみると、報告者の報告内容について詳細な記録がとられていますが、それ以上に驚くのは報告後になされる質疑応答についても、誰が質問したのか、質問者のお名前も含め詳細に記録が残されていることです。”一言も聞き漏らすまい”という西先生の学問における姿勢を窺うことができる資料です。(この資料の詳細については、日本医事法学会『医事法学叢書3 医事紛争・医療過誤』(日本評論社1986年)95~126頁をご覧ください。)

西三郎先生は、そのご略歴から窺えるように公衆衛生一筋の生涯をおくられました。公衆衛生は、ただ病気を予防することを目的としているものではなく、もっと幅広く国民の健康を増進させ、より豊かで幸せな社会を作ることを目的としています。それは象牙の塔に籠もっていても叶えられません。

西三郎関連資料

西先生は、積極的に地域に根ざした活動もなされています。その活動を記したノートもあります。そのノートの最後にこのような走り書きが残されています。

良く仕事をさなっているのは
判りましたが もう少こし
子ども達が本当に
幸せる生活が送れるように
なって来ているのかを話して下さると有り難いが

地域の子ども達のことに思いを馳せ、その子ども達のことを気づかう先生のお人柄が偲ばれます。

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