インド的世界観/中国的世界観

ヨーロッパ文明が世界のスタンダードになる前の、文明の二大中心は中国とインドであり、現在の人口規模でもあわせて地球上の半数の人口を占める。文字による記録を重んじた点では無文字文化とは対照的だが、しかしこの二つの文明の世界観・身体観も、ある点では対照的である。

インド(アーリア系) 中国(漢族)
インド・ヨーロッパ語族 シナ・チベット語族
デーヴァナーガリー文字など(表音文字) 漢字(表意文字)
現世拒否的(解脱) 現世的(不老長寿)
超越 循環・均衡
論理的体系が発達 象徴的体系が発達

しかもこの対照性は、インドと中国だけでなく、ある程度は「インド・ヨーロッパ語族」と「それ以外」にも拡張して適用できる。世界を西洋と東洋に区別するのはヨーロッパ中心の世界観だが(また世界を中国と野蛮な世界に区別するのは漢民族中心の世界観だが)それとは違う二分法によって整理できることも少なくない。