源氏物語 注釈史の世界
 

日向一雅編 
東京堂出版 2014年2月発行 
ページ416P A5判 定価9,000円+税


注釈史の研究は、千年を生き延びた古典のそれぞれの時代の読みと記憶を掘り起し、 現代と対話することである。
源氏物語享受の立体的な文学史を構築。



 目次

  日向一雅 はしがき


Ⅰ 注釈と本文

  伊井春樹「源氏物語注釈の形態―大沢本源氏物語の合点をめぐって―」

  伊藤鉄也「『源氏釈』桐壺巻に抄出された本文の性格」

  加藤洋介「三条西家源氏学の本文環境」

Ⅱ 注釈書と注釈史

  田坂憲二「内閣文庫蔵三冊本(内丙本)『紫明抄』追考―手習巻を中心に―」

  渋谷栄一「河内本「源氏物語」の巻頭目録と書入注記をめぐって
           ―河内方注釈書の生成と読みの世界について―」

  芝﨑有里子「『百詠和歌』における破鏡説話の改変
           ―源光行の文学的素養を知る手がかりとして―」

  河野貴美子「『源氏物語』と漢語、漢詩、漢籍
           ―『河海抄』が読み解く『源氏物語』のことばと心―」

  吉森佳奈子「注釈史のなかの『河海抄』」

  上野英子「『覚勝院抄』にみる三条西実澄の源氏学
           ―「三亜説」の分析を中心に―」

   堤 康夫「架蔵『光源氏抜書』に関する考察
           ―新出資料の紹介とその『源氏物語』注釈史上の位置付け―」

  湯淺幸代「湯浅兼道筆『源氏物語聞録』について」

  杉田昌彦「『玉の小櫛』注釈部と『源註拾遺』―契沖説の継承と批判―」

Ⅲ 注釈と読みの世界

  袴田光康「藤原定家と「高麗人」の注釈
           ―『長秋記』巻三紙背の渤海関係文書をめぐって―」

  栗山元子「藤壺像はどのように読まれてきたのか
           ―室町期の古注釈書における<読み>の深化をめぐって―」

  日向一雅「源氏物語古注釈史における『尚書』と周公旦注」

  中西健治「源氏物語「御簾のうち」をめぐって」

  横井 孝「「宇治十帖のうち第一の詞」―源氏物語における注釈世界―」


 

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