源氏物語 東アジア文化の受容から創造へ
 

日向一雅 笠間書院 版 2012年4月発行 
ページ418P サイズB6 定価9,975円

源氏物語は東アジア文学や文化をいかに受容し、
独自の文学世界を創造したか。
源氏物語や仏教説話には、同時代の新しい東アジアの文学・文化が浸透している。
漢籍や仏典、宮中行事、儀式書をよりどころとして、東アジアの影響を受けた当時の知識や教養、制度や慣習の中において物語を読み解くとともに、東アジアの視点から日本古典文学の達成を理解する。



 まえがき/凡例
Ⅰ 漢籍・仏典の注釈世界から
 第一章 光源氏の物語と『尚書』―注釈史における儒教的言説と物語の方法―
 第二章 「帚木」巻の「諷諭」の物語から「蛍」巻の物語論へ―『白氏文集』諷諭詩を媒介として―
 第三章 明石の君の物語と『鶯鶯伝』―「明石」巻の光源氏と明石の君との出会いと別れを中心に―
 第四章 按察使大納言の遺言と明石入道の「夢」―明石一門の物語の始発と終結―
 第五章 光源氏の出家と『過去現在因果経』

Ⅱ宮中行事の世界
 第六章 源氏物語の年中行事―朝賀・男踏歌・追儺―
 第七章 「蛍」巻の騎射と打毬

 第八章 源氏物語の音楽―宮中と貴族の生活の中の音楽―
 第九章 源氏物語の政治と経済―桐壺帝・朱雀帝・冷泉帝の治世と光源氏の経済―
 第十章 平安文学作品に現れた宮内省の職と諸寮―大膳職・木工寮・大炊寮・主殿寮・典薬寮・掃部寮―

Ⅲ 東アジア文化圏における文学の伝流
 第十一章 平安文学における『本事詩』の受容について―徐徳言条・崔護条を例として―
 第十二章 仏教説話の日韓比較―道成寺・源信の母・役小角を中心に―
 第十三章 中将姫説話と『観無量寿経』の韋提希夫人―『大唐西域記』『三国遺事』の説話と関わらせて―
 第十四章 「二河白道」の文化―『観無量寿経』に淵源する文学と仏教民俗―

Ⅳ 人と学問
 一 阿部秋生
 二 深澤三千男

 初出一覧/あとがき/索引


 

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