川尻秋生 岩波書店 2011年6月発行 ページ256P サイズ 新書版 定価840円 政権内の権力争いの結果、予期せず皇位につくこととなった桓武天皇。母親の身分の低さをコンプレックスとしていた彼は、「王朝交替」を強調すべく、二度の遷都をおこなった。まずは平城京から、水運の利をもつ地、長岡京へ。そしていよいよ、以後1100年つづくことになる都、平安京へ。晩年、弟・早良親王の怨霊に悩まされつづけたという桓武は、新たな都に何を託したのか。
目次 はじめに─平安時代を脱ぎ、着る明治天皇 第一章 桓武天皇とその時代 第二章 唐風化への道 第三章 「幼帝」の誕生と摂政・関白の出現 第四章 成熟する平安王朝 第五章 唐の滅亡と内乱の時代 第六章 都鄙の人々 おわりに─起源としての10世紀 参考史料 図版出典一覧 参考文献 略年表 索引